夢中文庫

恋に目覚めさせたエリート社長の情熱アプローチ

  • 作家花音莉亜
  • イラスト亜子
  • 販売日2020/12/8
  • 販売価格700円

外資系自動車メーカーで役員秘書として働く麻由香は、社長の修平からパーティーへの同伴を求められた。端整で大人の色気がある修平は麻由香にとって手の届かない憧れるだけの存在。パーティー当日も修平の気遣いに胸を高鳴らせてばかりの麻由香だったが──「秘書だから、きみを誘ったんじゃない。好きなんだ」 思いがけない修平からの告白。ロマンチックな雰囲気のなか、ふたりは唇をあわせて……。仕事に影響がないよう周りに交際は秘密でも、過保護な修平の独占欲に満ちた日々はとろけるほど幸せ。しかし、同じ会社に勤める大学時代の先輩からも言い寄られる麻由香。修平と付き合っていることは言えず困ってしまって……!?

プロローグ
「有坂(ありさか)社長、少しお疲れではないですか?」
 役員会議が終わり、社長が部屋を出たところで声をかけた。彼はいつも、会議が終わるとしばらく一人になるために人払いをする。
 社長のメイン秘書である冴島(さえじま)さんですら部屋から出してしまうのは、会議での内容をゆっくり一人でまとめたいからだった。
 それは、有坂社長が社長に就任してからのこの一年、ルーティーンとして行われていることだ。
 といっても、十分か長くてもせいぜい二十分くらいの時間。すっかりひとけのなくなったフロアで、部屋を出てきた社長に私は声をかけていた。
「広瀬(ひろせ)さん、戻ってなかったのか?」
 社長に驚かれたように見られ、私はゆっくりと首を横に振った。
「いえ、一度オフィスに戻ってから、またこちらへ伺ったんです。そろそろ、有坂社長が出てこられる時間じゃないかなと思いまして」
 私は、総務部の秘書課に所属している。新卒から配属されて、今年で四年目だ。主な仕事は、役員全般の秘書業務。役員には各々メイン秘書が付いていて、その人のサポートをしている。
 だから、決まった担当役員はなく、必要に応じて社長を含めた全役員の業務を担っていた。二十六歳の私は、秘書課では若いほうに入るため、先輩に比べると気配りが足りない部分もある。
 だからこそ、日々意識して事務的な業務以外にも注意を向けているつもりだ。
「わざわざ? 心配をかけているようで、すまなかったな」
 足を止めた社長は、ごく微かな笑みを見せてくれた。有坂修平(しゅうへい)社長は、三十四歳という若さで外資系自動車メーカー『イノバティー』の社長に就任している。
 一年前まで六年間ドイツ支社に勤務して、日本法人の社長になった完全に叩き上げの人だ。
 経営力や営業力の高さはもちろんのこと、彼の外見も社員の興味を引いていた。社長は長身でスタイルがよく、均整の取れた顔立ちをしている。
 近寄り難い雰囲気は若干あるけれど、大人の男性の色気も漂っていて、多くの女性社員からも注目を集めていた。
 さらに、彼が独身ということもあり、余計に憧れに思う人が多いらしい。日頃から、社長の話題はよく耳にする。
「いえ。役員の皆さまに対して、事務的な業務以外でも気づきを多く持ちたいと思っていますので」
「ありがとう。とても、広瀬さんらしい考え方だな」
「そんな……」
 社長にそう言われると、とても照れくさくなる。声をかけたからといって、自分が彼のためにしてあげられることは限られている。場合によっては、冴島さんにリレーションをするくらいだ。
 だけど、気づいたことをスルーだけはしたくなくて声をかけてみた。
「忙しい日が続いたから。でも、大丈夫だよ。ありがとう。そういえば、先週は専務にも声をかけてくれていたようだな」
「え? は、はい。専務も、とてもお疲れのようでしたので」

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