夢中文庫

ドSな彼は憧れの上司~本当に私をもらってくれますか?~

  • 作家桐野りの
  • イラスト繭果あこ
  • 販売日2016/03/30
  • 販売価格300円

「会社をやめて俺のところに来い。お前がほしい」「それって新手の意地悪ですか……!?」――ドSなイケメン王子こと総務部長の二ノ宮にプロポーズされた真央。恋愛経験0、根暗で真面目な地味OLに舞い降りたまさかのオフィスラブ。厳しい上司だったはずなのに告白後は別人みたいに優しくて、すっかり恋人モード。ほのかな憧れを抱いていた相手に告白され、体のすみずみまで愛されて、これ以上の幸せはないはずなのに、突然の展開に真央の気持ちは不安でいっぱい。これって夢じゃないのかな? 棄てられたらどうしよう――自称ダメOLと俺様超絶美形エリートの執着系恋愛の結末は、ハッピーエンド? それともまさかのアンハッピー……?

★一話
「桜庭(さくらば)!」
 怒気を帯びた声。
 顔をあげると、総合商事(そうごうしようじ)総務部の若き部長、二ノ宮康介(にのみやこうすけ)と目が合った。
 クールに整った目立つ美貌が、怒りに凄味を帯びている。
 桜庭真央(まお)は一瞬で嵐の気配を察知した。
「は、は、はい! なんでしょう。部長!」
 弾かれたように立ちあがり、真央は窓際のデスクへと駆け寄った。
「おととい、緑町物産(みどりまちぶつさん)に手形を送ったのはお前か?」
 長めの前髪からのぞく切れ長の目が、まっすぐ真央を見据えている。
「そうですけど……」
 二ノ宮の眉がくい、と吊り上がった。
(うう……こ、怖い……!)
 彼が総務に来てからの二年間、何度となく見せられた表情である。
 まだ決定的なことは言われていないのに、胃のあたりが早くもキリキリ痛みはじめている。
「……何か間違いでもあったんでしょうか?」
「大ありだ。手形の金額が一桁違うと緑町から連絡があった」
「一桁って……」
「三百万が三千万」
「ええっ!」
 ざーっと、顔から血の気が引く音が聞こえた気がした。
「申し訳ありません!!」
 泣きそうになりながら頭をさげると、二ノ宮は苦虫を噛(か)み潰したような顔で立ちあがった。
「不幸中の幸いで担当事務員が大学の同期だった。多分なんとかなるだろう……ったく、換金されてたら大事だったぞ」
 二ノ宮は背もたれにかけていたジャケットをつかんだ。
「今から緑町に行く。お前も来い。十分後に玄関前集合だ」
 二ノ宮はボードのネームプレートを二人分裏がえすと、肩をいからせフロアを出て行った。
「先輩、何かありましたぁ? 王子、すごく怒ってましたねー」
 パソコンの電源を落としていると、隣席の田中康子(たなかやすこ)が、いそいそと話しかけてきた。
 一年後輩の彼女は、真央と違って明るく要領がいい。
 かろうじて敬語を使ってくれているものの、先輩としての威厳なんて、とっくの昔になくなっているのは表情の端々からはっきりわかる。
「手形の金額をね、一桁間違えて送ってたの」
「それ、大変じゃないですかぁ。でも、先輩なら、やりそうです」
 人事みたいに笑う康子に、真央はおずおずと言い返す。
「でもさ、あれ、康子ちゃんが……」
「ん? 私がどうかしましたぁ? 先輩?」
 康子の笑顔がふいに消えて、意地悪そうに唇が歪む。
「ううん、何でもないよ」
 真央は言葉を飲み込んだ。

ご意見・ご感想

編集部

真面目が取り柄の地味系OL・真央ちゃん
王子と呼ばれるデキる男・二ノ宮さんのオフィスラブ!

恋愛経験ゼロにもかかわらず、二ノ宮さんの手によって
女性として花開く真央ちゃんにうっとりしちゃいます~~♪
そして、仕事では鬼のような二ノ宮さん! 真央ちゃんには激甘です!!

上司に怒られ、後輩にはナメられてしまう真央ちゃんが
人として、OLとして成長していく姿にも大注目です!

是非是非、お楽しみください★

2016年3月30日 2:27 PM

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