夢中文庫

クレセントムーンに想いをのせて~つれない彼に恋してる~

  • 作家桐野りの
  • イラストえだじまさくら
  • 販売日2016/07/11
  • 販売価格300円

「逃げるとこなんてどこにもないぞ」地上100メートルの密室の中、男は不敵な笑みを浮かべ白い太腿に手を伸ばす……。テーマパークのプレオープンにやってきた女子大生月香。総合デザインを担当した幼馴染の涼と5年ぶりに会いテンションが上がる月香だが、なぜか涼は不機嫌で二人はちょっとしたことで言い争いになってしまう。がっかりして帰ろうとする月香を涼は無理やり観覧車に乗せて意外な行為をしかけてくる。ずっと彼に恋してた。でも彼の気持ちがわからない……! 長い片想いは報われるのか……? 謎めいたメールにこめられた意味は? 美しい三日月と連なる星が導く、鈍感女子とちょっぴり意地悪な男のロマンティックラブ。

◆一話
 日本最大規模のテーマパーク「クレセントムーンスタジオ」。
 そこでは、翌日八月一日の本格始動を前に、各界のVIP100名を招いたプレオープニングイベントが華やかにとり行われていた。
 陽の落ちかけた園道を鼓笛隊と着ぐるみを着たマスコットキャラクターたちが練り歩き、ドレスアップした著名人たちが闊歩(かつぽ)する。
 そんな中、三上月香(みかみつきか)は、背伸びしたり、片手を額にかざしたりしながら、必死で一人の男性を探していた。
「……どうしよう。完璧に見失っちゃったかも……!」
 テープカットを行う数人の中に、スーツ姿の幼馴染み、星野涼(ほしのりよう)を確認したのは、ほんの数分前だった。
 勇んで駆け寄ろうとした時、ショーが始まり、スタジオのメインキャラクター、三日月頭のクレッセント君が目の前に飛び出してきた。
「麗しいお嬢様。私と一曲踊っていただけませんか?」
「え? あの、いえ、ちょ、待って……!」
 固辞したけれど許されず、しばらくパフォーマンスに付き合わされる。
 やっと解放された時、涼はもういなくなっていた。
「クレッセント君のバカ……これで涼に会えなかったら許さないんだから」
 恨み言を言いながら月香はスマホを取り出し、涼の番号をタップした。
(お願いだから、スルーしないで……!)
 呼び出し音はすぐに終わり、ぷつり、と音声の繋(つな)がる音がする。
(やった……! 出てくれた……!)
『「はい」』
 彼の声が一瞬二重になって耳に届いた。
「え……?」
 振り向いた瞬間、真後ろのベンチにスマホを耳に当てた、見知った顔を見つけ、月香は息が止まりそうになった。
「涼……!」
「よう」
 五年ぶりにあう幼なじみはにこりと笑って片手をあげた。
 星野涼。二十五歳。
 このテーマパークの総合デザインを担当した、ニューヨーク帰りのデザイナーである。
 高校卒業後海外に渡り、一流企業のロゴやハイブランドブティックのフロアデザインを手がけて一躍話題になった、世界で最も注目されている日本人。
 月香の長い片思いの相手だ。
「お前さ、なに着ぐるみに遊ばれてんだよ」
 涼はスマホをしまうと立ち上がった。足がとんでもなく長いため、座っているとわからないけれど立つとあまりの背の高さにそこはかとない威圧感が漂う。
「見てたの? だったら助けてほしかったよ」
 ドキドキしながら月香は言った。
「そうしようかと思ったけど途中でやめた。お前がアワアワしてんの、結構面白かったからな」
 涼は意地悪な口調で言った。高い位置からおりてくる、よく通るバリトンに胸の奥がじーん、と震えてしまう。
 昔から目立つルックスだったけど、しばらく見ない間にますますカッコよくなっている。
 その証拠にすれ違う人たちが、皆涼に視線を向けていた。

ご意見・ご感想

編集部

ひたむきに幼馴染を想い続ける月香ちゃん。
五年の歳月を経て想い人との再会を果たし、
ついに想いを遂げるのかと思いきや……!?!?

冷たく突き放したかと思えば、
慈しむように接する幼馴染の涼君に、
月香ちゃんの心は激しく揺れ動きます……

意味深なメール……
在りし日の約束……

すれ違う二人の恋模様に、
ハラハラドキドキすること間違いナシです!

思わずクスリときてしまう
ハートフルピュアラブストーリー
ぜひみなさまもお楽しみくださいませ~(*´ω`*)

2016年7月11日 3:26 PM

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