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たび恋チュール~異国男子と古都の恋空~

  • 作家水戸けい
  • イラスト中田恵
  • 販売日2016/08/24
  • 販売価格500円

3泊4日の期限つきの恋――友達と行くはずだった旅行をドタキャンされ、ひとり旅行に出かけた美空。のんびりしようとするものの、やっぱりひとりはさみしい。そんな時、美空の前に現れたエキゾチックな美青年・ミゲル。ホテルが見つからないと困る彼に、美空はホテルのルームシェアを申し出る。自分の大胆さに驚きつつも、親しみを感じた彼と、自然とその夜、結ばれてしまった。共に過ごしながらミゲルへの想いを募らせる美空だが、旅の終わりと共に彼との別れが近づいていく。ひとめぼれほど唐突ではなく、徐々に好きになったというには急な恋。彼の故郷は遠い異国。彼とはもう会えなくなってしまう?――旅先で見つけた恋の行方は?

1.
(やっぱり、やめといたほうがよかったかなぁ)
 ふっと息を地面に落として、川端美空(かわばたみく)は鹿とたわむれる多くの観光客をながめた。誰もが笑顔を向ける相手を持っている。ひとりで歩いているのは、美空だけだ。
(あーあ)
 美空は空を見上げた。やわらかな栗色(くりいろ)のセミロングの髪が、背中でさらりと揺れる。薄青に晴れ渡る空が、よけいに美空をさみしくさせた。
(なんで、ひとりで奈良観光なんてしているんだろ)
 なんで、の理由はわかっている。わかっているのに、そう考えてしまう。
 友人の大森恵子(おおもりけいこ)が彼氏と大ゲンカをしたというので、なぐさめるために彼女の家にいったのだ。そこで泣いたり怒ったりと情緒不安定な恵子をなだめながら、缶チューハイを飲んでいたとき、ふと「旅行いこうよ」という言葉が飛び出した。
 彼氏のことなんて忘れて、ぱーっと楽しもう。
 もうすぐ連休あるし、どこでもいいから遠くに行くのって、いい気分転換になると思う。
 そう美空が提案すると、恵子は「それいい」と乗り気になった。どこへ行こうかという相談になって、あれこれと夢をふくらませていると、テレビから奈良の大仏に関する謎がどうの、という声が流れてきた。
「奈良の大仏様に、もっといい男を紹介してもらおう!」
 恵子が酔った目で画面に映る大仏様をにらみつける。
「テーマパークとか、カップルいっぱいでよけいに落ち込みそうだし。相談してるときに、大仏様が映ったのって、なにかの運命かもしんないし!」
 ビシリと指を画面に向ける恵子の目は、怖いくらいに据わっていた。
「ああ、うん。そうだね……、そうかも。うん、いいよ。奈良の大仏とか、鹿とかにいやされるの、いいかも」
 予想外の目的地にとまどいつつも、美空は同意し、そういうことに決まった。
 奈良の大仏なんて、修学旅行ぶりだ。
 そう思って、田舎すぎないのんびりとした自然の中で過ごす日を、美空は楽しみにしていた。
 ところが。
 恵子が「ごめーん」と謝罪の気持ちなどかけらもない、突き抜けるように明るい声で言ったのだ。
「彼氏と復活しちゃったぁ」
 それだけなら、まだいい。
「だから今度のおやすみ、ごめんなさい旅行をするって決まったの。ごめんねぇ」
「……は? え。それって、私じゃなく、彼氏と奈良に行くってこと?」
「違う違う。そっちの旅行は、美空の名前で予約しちゃってるから無理っしょ」
「──え? じゃあ、どういうこと」
「彼氏がね、おわびにって勝手に旅行の予約してきちゃったのよ」
「だって、私との約束は」
「だから、ごめんって。もうキャンセル料かかっちゃうし、せっかくだから誰かほかの人を誘って行ってきて」
「ほかの人って……」

ご意見・ご感想

編集部

傷心中の友達と旅行に行く予定だった美空ちゃん。
なのに友達が突然のドタキャンなんて、そりゃないよ~(ノД`)・゜・。
ひとりで旅に出たものの、う~ん…寂しい。
やっぱり楽しさを共有する相手がほしい!

そんな時に現れた異国男子ミゲル君…
なんてグローバルで運命的な出会いなんでしょう!
素敵な笑顔とストレートな愛情表現に、もうメロメロです。
まっすぐに愛される美空ちゃん…うらやましい!(*´ω`*)

でももうすぐ旅行が終わっちゃう!
このままでは美空ちゃんとミゲル君が離れ離れに?!
この恋は一体どうなってしまうのか?
ぜひふたりの恋の行方を見届けてください!

2016年8月24日 1:25 PM

オススメ書籍

最後まで導いて

著者乃村寧音
イラストリツキ

凛々子はカレシとどうしてもできなくて、自分の体はおかしいのでは? と思っていた。結局別れを選ぶことに……。職場恋愛だったことから、転職して心機一転頑張ろう! 高級ハイタワーマンションのコンシェルジュになるが、なんとそこで高校時代に親しかった暁人と再会する。初恋だった相手との再会に胸が躍るが、十年ぶりの暁人は、大学時代に興した会社が成功し、今や有名IT企業の社長。とてもではないが手が届かない存在に……。だが、暁人は会えて嬉しいと言って食事に誘ってくる。そこから食事や外出をするようになり、ついには……!? だが、自分の体が不安な凛々子は素直に暁人の愛を受け入れられなくて――

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