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私に恋の手ほどきを~隣人たらしが恋のお相手!?~

  • 作家望月沙菜
  • イラスト蓮水薫
  • 販売日2018/12/07
  • 販売価格500円

「私の幸せって一体いつ訪れるのよ!」付き合う男性が軒並みだめ男で、ろくな恋愛経験を重ねられなかった琴子。そんなとき、飲まずにはいられない彼女の失恋話を聞くのは隣部屋に住むベランダ飲み友達の晃だった。「神様に頼むとかお祓いするぐらいなら……俺が伝授してやるよ」女好きの晃の協力のもと、琴子は偶然知り合った歯科医の隆太と距離を縮めていく。がっつかないよう、地が出ないよう、彼に釣り合うようにとしていた琴子。なのになぜか上手く行かなくなってきて――?最後の一歩が踏み出せない、オトナたちの可愛くて爽快なラブストーリー♪

1 運命の人の運命の人?
「えっ?!」
 27年間の人生で1番の『えっ?!』だったと思う。そしてその後に続く言葉が見つからず絶句したのも恐らく初めてだと思う。
 それほどまでの衝撃が襲ったのだ。
 わたし、谷川(たにがわ)琴子(ことこ)は保育園で保育士をしている27歳。
 自慢じゃないが男運はあまり……いやかなり悪い。浮気性な男、金遣いの荒い男……そしてマザコン。
 どうやったら立て続けに、これだけのだめ男と出会えるのかと友人に聞かれるほどだった。
 私からしたら、逆にどうやったらだめ男を回避できるか教えて欲しい。
 だがそんな不運続きの私の前に運命の男性が現れたのだ。
 彼の名前は皆川(みながわ)和幸(かずゆき)さん。
 職業は、空間デザイナーという超オシャレな肩書きを持っている人だった。
 彼は今まで出会った男とは比べ物にならないくらい優しくて、おしゃれでイケメンで……正直私にはもったいないくらいいい男で、もしかすると彼が私の運命の人かもしれないと思っていた。
 だって、金遣いは荒くないし、今のところマザコンでもなさそうだし、もちろん浮気だって私の知る限りない。
 そんなパーフェクトな彼と付き合うようになって3ヶ月。
 毎日がお花畑にいるような……そんな毎日だった。そして今日、彼と1週間ぶりのデート。
 仕事が終わると家から持ってきたお気に入りのワンピースに着替え、化粧も綺麗に直し、待ち合わせ場所である駅前のコーヒーショップへと向かった。
 約束の時間より10分ほど早く着くと、彼は既に待っていた。
「ごめんなさい……お待たせしちゃった?」
 普段よりちょっと高めの声で彼のいる席まで駆け寄ったがなぜか彼の隣に見知らぬ男性がいる。
 しかも、皆川さんの表情はいつもより少々堅いような……
 いつもはどちらかが後で到着すると、先に待っていた方が立ち上がり店を出るのだけれど、今日はなんだかいつもと様子が変というか……皆川さんは席を立とうとせず、逆に私に座ってほしいと言った。
 いつにない真剣な表情に私はほんの少しの不安を覚えながらも椅子に座った。
 すると皆川さんはいきなり私を地獄に叩き落とした。
「琴子さん……別れてください」
 彼は頭を下げながら別れ話を切り出した。
 だけど開口一番別れるって……意味がわからない。だって私たちは喧嘩だって一度もしたことなかったし、趣味も似ていた。食べるものだって好みが似ていて……嫌いになる要素はないと思っていたのにどうしてこんなことを言いだしたのか皆目見当つかない。
 そしてもう一つ驚いたのはなぜか隣に座っている男性までも頭を下げたことだ。
「あの…皆川さん? いきなり別れるって……どういうことなのか……分かるように説明してください」
 心のどこかで、なんちゃってって感じで私にドッキリでも仕掛けたのではと淡い期待をしていたのだが、皆川さんの口から発せられた言葉に人生最大の絶句をした。
「実は琴子さんと付き合う前から好きな人がいたんです。でも気持ちを打ち明けられずあなたと付き合ったんです。琴子さんといればきっと忘れられると思ったから……でもどうしても諦められなくて……」
 よくあるパターンだ。
 私もいろんな男性とこの手の会話を経験している。
 だけど……皆川さんは今まで付き合った誰よりも誠実で、私は彼を運命の人と思っていたから今回ばかりは引き下がれなかった。
「諦めきれないなら私がその分皆川さんを大切にして、好きだった人を忘れさせれば──」
「ごめん!」
 今度はテーブルスレスレまで頭を下げた。
「皆川さん?」
「先日告白したんだ。気持ちに踏ん切りをつけようと思ってね。……でも相手も僕の事を好きだって言ってくれて」
 そりゃ~こんな素敵な人、誰が振るもんですか! でも、私だって諦められないよ。
 泣きそうな気持ちをなんとか堪え、私は皆川さんの好きな人はどんな人かを尋ねたのだが……
「え?!」
 私は自分の目を疑った。
 皆川さんは申し訳なさそうに隣に座ってる男の人を指差した。
 ってことはだよ? もしかして皆川さんの好きで諦めきれなかったというのは女性ではなく男性ってこと?
 私は皆川さんと隣の男の人を何度も交互に見た。

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