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おはようからおやすみまで、変態王子に溺愛執着されています!?

  • 作家臣桜
  • イラストルシヴィオ
  • 販売日2019/12/6
  • 販売価格800円

ノイエンドルフ王国との戦争に敗れ、父王と同じく兄も目の前で処刑されようとしている。次は私だ。レニエ王国の王女アナイスが覚悟を決めていたところ、ノイエンドルフの第二王子フィオンが駆けつけ助けてくれた。それは次期国王となる第一王子の妻になることが条件の目こぼしだった。だが、耐えがたい扱いに追い詰められたアナイスが再び窮地に陥ったそのとき! 「その姫、俺にくれませんか?」ゆるっと現れアナイスを引き取ったフィオン。アナイスを待ち受けていたのは寝ても覚めても怒涛の溺愛攻撃──救ってくれた王子は基本優しいですがちょっとした変態でもあって!? 困惑のアナイス。しかしそんな様子すらフィオンにはご褒美……!?

序章 王女の処刑
 一段。また一段。
 私は裸足で石段を上がってゆく。
 ノイエンドルフ王国の王都中央広場では、五年にわたった戦争が終結し、敵国王家の処刑が行われていた。
 狂乱した広場には民衆が押し寄せ、正気とは思えない光を宿した目で処刑台を見上げている。拳を天に振り上げ、罵声を浴びせ──。
 我がレニエ王家が、いったい何をしたというの?
 彼らにそう尋ねても、きっとろくな答えは返ってこないだろう。
 民というものは基本的に富める貴族や王家を憎み、自分たちの身に理不尽な何か──今回なら戦争による飢餓や家族を兵士として取られたという恨み──があれば、“攻撃していい存在”に怒りをぶつけなければ気が済まないのだ。
 彼らの生活を自由に左右できる王族や貴族。その存在は民からすれば、あまりに巨大すぎて、中に一個人がいるなど考えも及ばないのだろう。
 だから私とお兄様に優しく、愛妻家で国を誰より愛していたお父様が処刑されても、彼らは心を痛めないのだ。
 最近気になる方ができて、嬉しそうに手紙をしたためていたお兄様が、引っ立てられて断頭台に首を載せられても、彼らは面白いショーが行われたかのように喝采を浴びせる。
 お母様は、捕らえられる前に城で自害された。
 ノイエンドルフ王の目的──お母様を側室にすること──を知っていたからこその、ご決断だったのだと思う。
 最初こそお母様は、自分がノイエンドルフに向かえば戦争が終わるのでは……、と仰っていた。しかし誰より深くお母様を愛していたお父様は、最後までそれを許さなかった。
 そしてお兄様のご活躍により、ノイエンドルフ王は討ち取られた。
 あと一歩で戦争に勝つというところで、お兄様はノイエンドルフの第一王子ルーカスに倒された。互いに顔を知っていて、親友のような関係だったというのに、レニエ王国とノイエンドルフ王国は互いの血を流したのだ。
 王を失い、ノイエンドルフ王国では新しく第一王子ルーカスが王座につこうとしている。
 牢獄に囚われたお父様は、私の目の前で処刑された。最期まで堂々と前を向き、立派だったと思う。
 お兄様は粗末な格好をして断頭台に首を置き、ジッとエメラルドグリーンの瞳で民衆を見据えていた。
 これから私も、レニエ王家の誇り高き王女として処刑される。
 国王の処刑が終われば、王子と王女の処刑が同時に行われるのだ。
 お父様の首を奪った断頭台は血に濡れていた。その隣にある火刑台は、女性である私のためのものだろう。
 処刑台の上には騎士たちが並び、目元を隠したヘルムからは何も感情が窺えない。
 もう民衆の罵声も何も聞こえない。
 頭にあるのは、この苦しみが終われば優しい家族の元へ行けるという思いのみだ。
 粗末な生成り色のワンピースを着せられた私は、吹き荒ぶ風にストロベリーブロンドの髪をなびかせる。
 家族が綺麗だねと褒めてくれたこの髪は、火刑と共に燃え尽きてしまうのだろう。

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