――たっぷりと彼女に教えてやれば良い。これまでに誰にも執着したことのなかった男の執着を一身に受けることが、どれほど重く、そしてしつこいものなのかを。
金に煩い性悪だと一部の貴族に煙たがられている聖女アルセーラは、任期満了まであと三か月と迫ったある日、傲慢な王太子が自分を娶ろうと企んでいることを知る。やっと自由になれるはずだったのに王太子の妃など絶対にごめんだと、王族に嫁ぐ条件である〝純潔〟を失うため、幼馴染の公爵ウィルヘルムに一夜の関係を持ちかけたのだが……驚くほど甘く執拗に抱き潰され、さらには求婚されて!? 予想外の彼の執着愛を、性悪鈍感聖女は責任を取るためだと思っていたけれど?