夢中文庫

異世界トリップしたら氷帝に溺愛される女神になりました

  • 作家仙崎ひとみ
  • イラスト緋月アイナ
  • 販売日2018/11/16
  • 販売価格500円

激しい衝撃で意識が飛んだ恵令奈が再び目を覚ますと見知らぬ世界にいた。そこはエルラム帝国、氷帝と恐れられている皇帝ジュードが治める異世界だった。どうやら事故が原因で異世界にトリップしてしまったようだ。この国に黒髪、黒い瞳の者はいないらしく、自分の祈りが神に通じ、帝国を繁栄に導く女神が遣わされたのだとわけのわからないことを言う皇帝ジュードに結婚を迫られる恵令奈。女神の純潔を与えられた者が真の皇帝にふさわしいのだと……。「私の意思は?」そう思い立腹する恵令奈にジュードは礼をもって接し、愛を囁く。その愛は外見による女神崇拝からではなくて? ジュードの言動を疑うものの心は揺れて――

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恵令奈(えれな)は、少しずつ意識を取り戻していた。
 海底の奥で、貝殻に守られた真珠のように眠っていたのに。
 身体がふわふわと水面に押し上げられていくように、ゆっくりと覚醒していく。
(もっと……寝ていたい。……でも、いつまでも寝ていたら叔母さんに怒鳴られる……)
 かすかな重みを胸元に受け、恵令奈は恐怖で身体を強張らせた。
(誰……? また、あいつだったらどうしよう)
 奴が性懲りもなく恵令奈の布団に潜り込んできたのだろうか。
 やめてと叫ぶこともできない。意識は眠りから覚醒の少し前くらいを、行ったり来たりしている。
 熱い吐息、肌越しに感じる高い体温。そしてムスクの官能的な香り。
 奴じゃない。奴なら、すえた汗と生臭い匂いしかしないし、こんなに骨っぽい身体でもない。
 ぶよぶよの脂肪をまとった不健康な身体ではなく、硬く屈強な身体に抱きすくめられて、思わず身悶えしてしてしまう。
(不快感なんてまったくない。それどころか……すごく気持ちいい……なぜ?)
 その身体は恵令奈の上にいるはずだが、不思議なことに重くはなかった。
 おそらく膝で支えて重みをかけないようにしているのだろう。
 守るように労わるように抱かれ、その頼りがいのある身体に、またも気持ちよくなってしまう。
(私ったら……逞しい男のひとに抱きしめられている夢を見るなんて……)
 やけに身体は過敏に反応した。いやらしく動く手が、恵令奈の敏感な部位をなぞる。
 胸の膨らみを揉みしだき、次第に勃ち上がる先端の突起を弄り。
 夢とは思えぬほど四肢に快感が行きわたり、手足の先が小刻みに震えそうになる。
 気持ちのよさに微睡んでいると、柔らかく温かい何かが唇に当たった。
(な……に……? もしかして、これってキス? ファーストキスが夢の中だなんて。やだ……欲求不満みたいじゃないの)
 それは恵令奈の口腔内にヌルリと入り込むと、頬の裏や口蓋、歯茎を舐め回してきた。
 口の中の唾液を、すべて拭い去りそうな勢いで舐られ、脳内が沸騰しそうになる。
 だが意識は半覚醒で、身体は眠りに引きずられているから、指の一本すら動かせない。
 こんないやらしい夢をどうして見てしまうのだろう。夢の中で淫蕩に耽ってしまうなんて──
 恵令奈は十八歳の高校三年生。今年は受験生だ。
 バイトと勉強に明け暮れ、男性とつき合ったこともない。
 そんな恵令奈が、どうして経験したことのない艶めかしいキスの夢を見るのか。
 男性に口づけされる欲望でも、心底に持っているのだろうか。
 ヌチュ、クチュと濡れた音が鼓膜まで響き、心が淫猥に制されていく。
 駄目だ。巧みな動きをする舌に翻弄され、淫らな疼きが徐々に身体を支配する。
 ぬるついた舌は頬の裏の粘膜を舐め取り、歯列を割って口腔の奥深くに入り込む。
 舌先を突かれ舌の根を舐め回され、唾液がどっと溢れ出すと、じゅるじゅるといやらしい音を立て、それも吸い上げられた。
 唾液を舌の上に乗せ、再び口腔内の粘膜に擦りつけるような口づけを続ける。
「ん……ん……ぁあ……」
 快感に鼻から息を漏らすと、ピタリと舌の動きが止まった。
 恵令奈の唇から、甘く淫らな唇が離れていく。
 そのさいにも粘着質で淫らな音がピチャリと響き、いっそう官能を刺激されてしまう。
「まさか……な」
 男らしさの中に優しさを含んだような声が、鼓膜をくすぐる。
 続いて大きな手のひらが、熱を宿した身体を撫で擦ってくる。
 肩、脇下、腰、そして胸。小ぶりだが柔らかくて張りのある乳房に男の手がかかると、すぐさま布越しに揉みしだいてきた。
 ぎゅっときつく掴んだり、優しくやわやわと柔肉を揉み上げたり、緩急つけた動きを繰り返される。
 そのうち、その悪戯な手はもっといやらしい動きへと変化した。
 尖る先端を指先でクリクリと潰したり、弧をクルクルと描いたりしてくる。
(恥ずかしい……すごく恥ずかしい。夢なのに、こんなに感じてしまって、なんていやらしいの。でも……抑えられない)
 くすぐったさと切なさがないまぜになり、恵令奈の腰が思わず浮いた。
 すると、またしても動きがピタリと止まる。
「……もしかして目覚めるのか? まさかな」
 驚きを含んだ声に、心の中で反芻してしまう。
(目覚める? これは……夢ではないの? じゃあ一体……この男のひとは誰……?)

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