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ありふれた恋の結末は?~青山課長、10歳の年の差なんて関係ありません!~

  • 作家田崎くるみ
  • イラスト海月あると
  • 販売日2019/6/4
  • 販売価格600円

大きなミスのあと会社を辞めようとまで悩んでいた紬だったが、いつも温かく励まし見守ってくれる上司・青山の期待に応えたいと仕事に奮闘していた。そうして十歳年上の彼への想いは、いつのまにか尊敬から恋心へ。この気持ちを伝えようか悩む紬だったが、偶然にも青山が社長に縁談を持ち掛けられるところを見てしまう。『後悔したくない!』と勢いあまって告白してしまった紬に戸惑う青山だったが、彼からまずはお試しで交際しようと提案される。本当に好きになってもらうため全力な紬に、大人の余裕をみせていた青山も次第に紬にだけむける表情が増え──実は憧れ上司の素顔は意外と独占欲強め!? ふたりの恋の結末は…!?

『好きで好きで、たまりません!』
 シンデレラのような誰もが羨むドラマティックな恋がしたいわけじゃない。ありふれた恋でいい。私はただ、好きな人と幸せな恋愛がしたいだけなの。
 よくある職場恋愛。好きになったのは直属の上司。モデルのようにカッコいいわけではないけど、優しくて気さくで、笑顔が素敵で。……なにより部下からの人望が厚い人。
 どうしようもなく好きで好きで、たまらない人なんだ。
 ある晴れた日のお昼時。
 春を迎え、今日も一日青天だと朝の天気予報で見た通り、太陽の日差しが心地よくて過ごしやすい。私は仲が良い後輩とふたりで会社近くのオープンカフェに来ていた。
 テラス席で注文した料理を待ちながら、あるものを眺めた。
「はぁ……。どうして青山(あおやま)課長ってこんなにカッコいいんだろう」
 昨日社内メールで送られてきた社内報を、わざわざプリントアウトして何度も見ているのに、見るたびにカッコよくて素敵でため息が漏れる。
 すると目の前に座るひとつ下の後輩、海崎(かいざき)玲奈(れいな)は私を見て引いたようで、眉をピクピクと動かした。
「ちょっと紬(つむぎ)さん、人が多くいるところでニヤけるのはやめてください。私まで変な目で見られるじゃないですか」
 綺麗な顔が台無しになるほど、彼女は嫌悪感を露わにした。
 それでもこればかりは仕方ない。だって好きなんだもん。
「いいでしょ? 写真を見てニヤけたって。ここに青山課長はいないんだから」
「よくないですよ! それに毎回言っていますけど、青山課長のどこがそんなにいいんですか? 立派なおじさんじゃないですか」
「ちょっと玲奈ちゃん?」
 聞き捨てならない発言に鋭い目を向けると、彼女は「あの人、無駄にいい人過ぎて嫌いです」なんて言いながら、そっぽ向いた。
 ちょうど注文したランチプレートが運ばれてきて、会話は一時中断。
 美味しそうな料理の数々に、玲奈ちゃんは目を輝かせて写真を撮り始めた。
 私、篠田(しのだ)紬と玲奈ちゃんは『株式会社ヒカリ』に勤めて、それぞれ三年、二年になる。ヒカリは、大手文具会社『ニイノ』から十年前に新設された新しい子会社。
 文具類全般を取り扱っているニイノに対し、ヒカリはシリーズものに特化した会社だ。
 ウサギをモチーフにした『ウサマルコシリーズ』が我が社の看板商品。数々の商品展開をしている。
 ウサマルコシリーズを扱っているのが第一企画営業部、学生向けのステーショナリーを扱うのは第三企画営業部。シンプルで洗練されたデザインの万年筆やペーパーナイフ、ガラスペンといった、主に大人向けステーショナリーを扱っているのが、第二企画営業部だ。
 私と玲奈ちゃんは第二企画営業部に配属されたんだけど……昨年、私たちふたりはとんでもない大失態を犯してしまった。
 いつまでも学生気分が抜けなくて、社会人としての自覚に欠けていたんだと思う。
 新商品発売に向けてモニター調査をした際、参加してくれたモニターの方々に大変失礼な態度を取ってしまい、会社の信用を大きく欠く事態を引き起こした。
 幸い、尊敬する先輩と共にモニターの方々に誠心誠意謝罪し、私たちを含めて上司にもお咎めなしとなったけれど、今でも思い出すと後悔で押し潰されそうになる。
 だけどそのおかげで私は心を入れ替えてこの一年、仕事に当たってきた。

オススメ書籍

溺愛インモラル 義弟とわたしの甘やかな攻防

著者西條六花
イラストウエハラ蜂

新しい土地で独り暮らしを始めようとしていた保育士の若葉は、そこでかつて三年間だけ「家族」だった要と再会する。十年ぶりに会った彼は大人の男性に成長し、表具職人になっていた。要の作業場を見学させてもらった若葉だが、誤って預かり品である骨董の掛け軸を破損し、彼の手に怪我をさせてしまう。「俺はお前を姉だと思ったことは、一度もない」「抱きたい。――抱かせて」掛け軸と怪我を盾に迫られ、若葉は断りきれずに要の要求に応じるものの、「元義弟」が相手という背徳感を拭えない。しかしあの手この手でアプローチしてくる彼に、次第に心惹かれ……?真面目な「姉」と、コミュ障だが色気たっぷりな元義弟の、再会ラブストーリー。

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